AGA150の話し
VOX：アコースティック・ギター・アンプはどうでしたか。
加藤：アコースティック・ギターって一人で弾いてる時はちゃんと聞こえるし問題ないんだけど、ロック・バンドの中に入ると途端に掻き消されちゃって、何とか一人で弾いてる時と同じ様な感じで気持ち良く聞こえたらなって、ずっと悩んでたんですよ。足元にある転がしのモニターから音を貰っても、そこには色んな音が混ざってる訳で、正直すごく聞き取り難くって歌い辛かったりするんですよね。自分の後ろにアコースティック・ギターの音しか出さないモニター置いたりしてもみたんだけど、今度は何だかパワー感が上手く出てこない。モニター代わりにクリーンで有名なエレキ・ギター・アンプを使ってみたりもしたけど音が硬過ぎたり、もう何だかんだ言いながら散々試行錯誤して来ました。
AGA150は真空管を使ったチャンネルが特に気に入って使っていて、ハウリング対策でギターのサウンド・ホールを塞いでいてもボディの鳴りまで違和感なく出してくれる。これもアコースティック・ギター専用のモニターとして後方に置いて使ってるんだけど、あのナチュラルに響く感じはヴォーカルを凄くとり易い、結果的に歌っていて気持ちがいい。アコースティック・ギター弾いてるのに鳴らない、響かないって気持ち悪いじゃないですか（笑）。実はアコースティック・ギター専用のギター・アンプを使ったのは初めてだったんだけど、音色も含めここまで自然体でプレイ出来たのは初めてです。漸くですよ（笑）、出会えてホントによかった。すごく感激しました。
VOX：エレアコはラインでミキサーへって人が殆どで、同じ様な悩みを抱えている人は結構いると思うんですよね。加藤さんみたいな使い方をされ問題がクリアーされた方を他にも知っていますので、我々もまだまだ啓蒙して行きたいところです。
加藤：これでキーボードがいたりするとまたアコースティック・ギターの役割も違って来るんだろうけど、コレクターズは4人編成で僕がアコースティック・ギター弾き始めると、そのコード・ワークを中心に楽曲が進んで行く様なとても重要なポイントになっているんです。小編成なだけに個々の担う楽器パートの役割はとても高いからね。
AC30の話し
VOX：バンドでリード・ヴォーカルがバッキング・ギターを弾く際にAC30を使っているシチュエーションって結構見かけるんですが、曰く、自分のコード・ワークが良く聞き取れるから歌い易いんだよねとよく言われます。
加藤：音抜けがいいギターのバッキングがあってヴォーカルがとり易いのは、コータロー君がAC30を使っているので凄く良く分かります。ただ、コータロー君がAC30ってこともあって、僕もお揃いってのはどうかな〜とも思ってて（笑）。僕が今使ってるのはVOXと同じブリティッシュ・ブランドでも、ピート・タウンゼントも使ってたパワフル・クリーンが身上のアンプでね、とにかくどこまでゲインを上げて行ってもクリーンなの。やっぱり多少はオーバー・ドライブしてくんなきゃってのもあるじゃないですか（笑）、、、だからと言って足元のエフェクターでドライブさせるのは好みではないし。クリーンだと間違いがごまかせない（笑）。
VOX：然らばAC15って手もありますが（笑）。
加藤：そうなんですよ。一時期AC15ってのも考えたことがあって、ほら、アニバーサリー・モデル*で発売されたマホガニー・ウッド・キャビネットで出来たやつ、あれは正直迷いましたね（笑）。でも高かったんだよなぁ、今使ってるアンプも（笑）。でも欲しかったなぁ〜。
VOX：ところでコータローさんのAC30歴は長いんですか？
加藤：コータロー君は23〜24年ぐらいはVOX使ってるんじゃないかな。コータロー君ぐらいじゃないの？アンプはVOX一筋って言うギタリストは（笑）。他のアンプも持ってるんだけど、メインは古いAC30/6TBXってモデルを今も大事に使ってます。ただね、以前奥田民生君の持ってるHand WiredのAC30**を鳴らさせてもらった時に、これがホントに音が良かったんだって言ってた。だから今度発売されたAC30のHand Wiredはどうなのかなって結構気にしていたから、コータロー君にはこのAC30のHand Wiredを早く試してもらいたいんだよね。
VOX：確かに奥田民生さんが持っているAC30を聞いてVOXに目覚めたって方結構いるみたいですね。再発売を期待する声も多かったんですが、今度新たに発売したAC30 Hand Wiredも気に入ってもらえる自信はあります。コータローさんには是非ステージで使ってもらいたいですね。
加藤：当然アンプのことは彼の方がずっと詳しいしVOXマニアだし、AC30についても誰よりも知り尽くしてる男だからね。まぁ、アンプの専門的な部分は彼に任せて、僕はファッション・リーダー的な部分を担当しますよ（笑）。
